花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは…咲きぬべきほどの梢、散り萎(しお)れたる庭などこそ、見所多けれ

皆様こんにちは!本日は3/7(金)。ニュースなどでは河津桜が見頃の場所もあるとか。今の時期は特に桜と菜の花との色彩の対比が美しさを際立たせる時期でもありますね。古来、桜は『源氏物語』(紫式部)『枕草子』(清少納言) 『徒然草』(吉田兼好)等の古典にも多く記述され、その可憐かつ優美、更に散り際の鮮やかさ、艶やかさなど…多くの形容詞でその素晴らしさが語られております。私は特に『徒然草』の“花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは…咲きぬべきほどの梢、散り萎(しお)れたる庭などこそ、見所多けれ。”という下りが大好きです。これは「桜は開花してからだけではなく、咲き始めや散ったあとにもとても趣がある」という意味です。何故この下りが好きか?それは普通の人々が感じ取る表の開花のみではなく、その前後の良さ(裏)にも気付き、自然の中に『当たり前』として存在する花々(表)が実はそれを支える幹や根などの裏から支えられる存在である事を感じとっているからです。
そして私が前回のブログで公開している『肝機能』も『沈黙の臓器』と言われるように体の様々な恒常性を裏から支える臓器でもあります。その内、本日は『肝臓とコレステロール』との関係について少しだけ述べたいと思います。コレステロールと言うと…世間では悪者と思われがちでが、実は体を構成する組織や生命の維持に必要な物質の材料であり、とても大切なモノであります。私達の体は約60兆個の細胞からできており、1つひとつの細胞の表面は『細胞膜』という膜に包まれ、細胞の外と仕切られています。コレステロールはこの細胞膜を作る材料の1つです。更にコレステロールは『副腎皮質』『性ホルモン』等のホルモン、丈夫な骨を作るのに必要な『ビタミンD』、そして食べ物に含まれている脂肪を分解して吸収を助ける『胆汁酸』の材料にも使われています。
このように様々な重要な構成要素になりうるコレステロールですが、これを、合成する役割を肝臓が担い、そしてコレステロールが小腸で吸収される時に役立つ『胆汁酸』の合成にも関わっています。同時にコレステロールは多くなりすぎると動脈硬化をもたらす事も知られております。それを抑制する役割も実は肝臓が担っているのです。食事からコレステロールを多く取り過ぎると体内での合成にブレーキが掛かり、『胆汁酸』により胆汁の成分として便として排泄される役割も担っているです。
前回私の身体検査の指標の一部である肝機能に着目して今回も肝機能の役割を少しだけ述べさせて頂きました。介護を行っていると、目に見える状態だけでは説明の付かない事が次から次に現れます。それらがどうしてそのような事象になるのか?常に意識をして、表面的な部分に囚われない考え方が求められます。私が『徒然草』の一節を引用したのはその為でもあります。
今も尚、介護で辛い想いをされている皆様方が少しでも心安らかに過ごされ、辛い想いを緩和できますように…そのような想いで毎日お手伝いをさせて頂いております。