皆様、こんにちは。本日は7/14(月)。歴史的にはフランス革命勃発の日として有名ですが、他方日本では…7/20(日)に参議院選挙の国政選挙があり、様々な政党の方が公約を掲げ、未来の日本を形作る為の知恵を出し合っております。その際に多くの立候補者の方々が語られている『自由』という言葉が実に多くの意味で語られている事に興味を持っております。そこで…本日は…『自由』とは何か──フランス革命から介護、地域社会、そしてSNS時代へと…「繋がり」の中で育まれる【未来の日本】に求められる『自由』とは何か?…私なりの視点で考察をしてみたいと思います。
7月14日――それは、1789年、フランス革命の始まりを告げた「バスティーユ牢獄襲撃の日」。この日をきっかけに生まれた「人権宣言(人間と市民の権利の宣言)」は、近代社会における「自由」の概念を形づくりました。人権宣言において、自由はこう定義されています。
「自由とは、他人を害しない限り、すべてのことをなしうることである。」
ここにあるのは、「国家」や「権威」から個人が自立し、声を上げることのできる権利としての自由です。この自由は、抑圧された身分制度を超えて、個人が自らの尊厳を取り戻すための叫びでもありました。
これに対して…現代の日本社会では、個人の自由よりも、「まわりとの調和」や「空気を読む力」が重んじられがちです。そのため、
•自分の意見や希望をはっきり表明することが「わがまま」と受け取られる。
•「自由すぎる行動」は、集団の中で浮いてしまう
といった葛藤が生まれます。
ここにあるのは、共同体のなかで生きることの心地よさと、時に不自由さでもあるように思われます。
それでは…一歩進んで…介護の現場では『自由』とはどのように語られておりますでしょうか?
ご利用者様の「自由」はとても大切にされます。たとえば:
•「今日は散歩に行きたい」
•「食事は自分で選びたい」
といった、日常の中の小さな自由は、その人らしさを尊重するうえで欠かせません。
しかし一方で、
•転倒リスクを防ぐために散歩を制限せざるをえない。
•他の利用者の安全とのバランスも考えなければならない。
といったように、自由には「他者への配慮」や「安全への責任」が常に求められます。
これは地域社会においても同じです。地域の中で高齢者や障がいのある方々と「共に生きる」ことは、
自分の自由だけでなく、他者の自由や安心も尊重する力を育てていくことにも繋がります。
翻って…現代では、SNSという場において、誰もが簡単に「自由な発言」ができる時代になりました。匿名であるがゆえに、「本音が言える」「自己表現ができる」反面、「無責任な中傷」「デマの拡散」「誹謗中傷」などの問題も生まれています。本来、自由とは「他者を害しない限り何をしてもよい」という権利のはずでした。しかし、SNS上では「他者を傷つける自由」が野放しになっていることも多く、その結果、被害者の心や命が奪われるという現実も起きています。ここでも問われているのは、「自由とは何か」ではなく「自由をどう使うか」ではないでしょうか?
つまり「自由」には、必ず「責任」が伴うということを、私達は改めて考える必要があると思われます。
もう一点、歴史上私が注目をしている人物がいます。それはアルフレッド・アドラーです。1870年にオーストリアのウィーン郊外で生まれたアドラーは、幼少期は病弱で、くる病や肺炎を患い、生死をさまよった経験から医師を目指しました。フロイトの精神分析グループに参加した後、独自の「個人心理学」を確立した人物であり、今では『アドラー心理学』という確立した心理学を樹立した人物としても有名です。その心理学者アドラーは、自由についてこう語りました。
「自由とは、他者とつながる勇気を持つことである。」
この言葉は、「自分勝手な自由」ではなく、信頼関係の中でこそ育まれる本物の自由のあり方を教えてくれているように思われます。そしてこの『他者と繋がる勇気を持つ事』という言葉は現在の日本が抱える人口減少、孤独死等という社会問題にも解決に繋がるキーワードになり得ると思います。
介護の現場でも、SNSの場でも、地域社会でも、
「自分らしく生きること」と「他者を思いやること」は矛盾するものではなく、支え合う関係にある事が求められます。そしてそれは、他者との関係の中でこそ、本当の意味で花開くものの様に思われます。
介護、地域、インターネット、どんな場であっても、私達一人ひとりが、自由と責任を両手に携え、「ともに生きる」姿勢を持てること。その勇気を持つこと。それが、21世紀を生きる私たちの「革命」なのかもしれません。
先日、私は北鎌倉にある菩提寺である円覚寺に参り、塔頭の境内の木々の伐採などをボランティアで行いました。これは私にとっての『革命』であると思っております。本来的に、ボランティアなどとは無縁であった私の『革命』です。それは自分自身の自由に地域社会との繋がりを感じて、その繋がりに『責任』を持ちたいとの思いで行いました。暑い最中に行ったので、とても汗ビッショリになりました。しかし、私にはその汗が光り輝く『地域社会との繋がりを感じる想いの重さ』に感じました。
7/20(日)の参議院選挙が…どうか汗水流して頑張っている多くの方々の想いに報いる結果でありますように…と思いました。