無心とは?その効果とは?

皆様、こんにちは。本日は12/6(土)。今年もあと25日となってしまいました。この頃になると『今年の流行語大賞は何か?』とか…『今年よく歌われた曲は?』とか…『今年の世相を表す言葉は?』等…様々な形で今年を振り返る時期となっております。
皆様の2025年はどんな年だったでしょうか?
私の1年は…『ふじの花』開業元年という事もあり、何もかも初めての取り組みで、特にこのホームページ作りを無心に行おうと取り組んで参りました。
この点、ご利用者様のご家族から『私は茶道、華道、書道などをこれまで教わって参りましたが、無心に取り組む事で心を調える事が体全体のリズムを取り戻す事にとても役立った1年になりました』と言われた事があります。
毎年の様に…12月頃になるとインフルエンザ等の感染症が猛威を奮い始めますが、上記の視点(無心に取り組む試み)は生活の中で取り組み方を工夫する事で、様々な生活習慣病や感染症なども改善する事になり得るのでは?とも思いました。何故なら…この点を体の各臓器(脳、心臓、腎臓、小腸、胃、肺、肝臓、膵臓、血液成分、神経)との関係において検証する事でその有効性が改めて確認できると考えたからであります。そこで…今回は…以下、それぞれ具体例を交えながら検証して参りたいと思います。
先ず、茶道・華道・書道などの「無心に取り組む丁寧な行為」が臓器に良い影響を与える共通のメカニズム(生理学的経路)は①自律神経の調整(副交感神経が活発になり、交感神経が抑制される事)、②ストレスから現れる炎症経路の抑制③行為自体による身体的・認知的刺激の各3点において体の機能を良い方向に維持している事が裏付けられております。 
即ち…①は、呼吸が深くゆっくりになり、心拍変動(HRV)が改善したり、ストレスホルモン(コルチゾール、アドレナリン)の低下へ繋がると言われております。②は、慢性ストレスが低い炎症(IL-6、CRP上昇)を招き、メタボリックシンドローム、動脈硬化、インスリン抵抗性を促すのに対し、マインドフルな活動はこれらを抑えると言われております。③は、姿勢制御、眼・手の協応、リズム運動、感覚入力(香、花の色、筆の感触)による神経可塑性や循環改善にも良いと言われております。
以上を踏まえまして、『無心に取り組む事』が如何に各臓器との関係においても良いか具体的に検証して参ります。
【脳(認知・情動)との関係】
《作用メカニズム》
マインドフルネス的集中は前頭前野(注意・抑制)を活性化し、扁桃体の過剰活動を鎮めると言われており、感覚入力(香、視覚、美的判断)は報酬系を刺激し、ストレス緩和に寄与するとされます。
《具体例》
書道で「一筆に集中」する習慣 → 集中力・作業記憶の改善、日常の雑念が減り不安が下がり、結果として不眠・うつ傾向の改善や、注意力低下を伴う高血圧管理へのプラス効果が期待できます。
《測れる指標》
•主観的な不安尺度、睡眠の質(睡眠時間・入眠時間)、簡易認知テスト。以上が挙げられます。
【心臓(血圧・虚血性心疾患)との関係】
《作用メカニズム》
副交感神経優位で心拍数低下、血圧安定、HRV改善が測られたり、ストレスホルモンを減らすことで血管内皮の機能改善や炎症低下があるとされます。
《具体例》
茶道での落ち着いた所作+深呼吸(1回のセッションで数分〜15分)により、収縮期血圧・安静時心拍の短期的低下があるとされ、長期では高血圧管理の補助、動脈硬化リスク低下に寄与しうる(薬物療法の補助として)とされております。
この点、既に重度の心疾患がある場合は主治医と相談して負荷のある動作(急速な立ち座りなど)を調整して頂く事が注意点として挙げられております。
【腎臓(血圧・代謝性負荷)との関係】
《作用メカニズム》
腎機能低下の多くは高血圧・糖尿病・慢性炎症と関連するとされ、ストレス低下により血圧が安定し、腎臓への負担軽減があるとされます。
《具体例》
毎日短時間の静的な稽古(茶道)を続けることで、夜間の血圧・白昼の過度な交感神経活性を抑え、腎臓の微小循環を保護する補助的効果が期待できたり、また、水分摂取を意識する「所作の合間に水をゆっくり飲む」といった習慣化は腎結石予防や尿量維持にも結びつくとも言われております。
《測れる指標》
血圧、尿検査(蛋白)、クレアチニン・eGFRの経時的変化を計測する事が重要とされます。
【小腸(消化吸収・腸内環境)との関係】
《作用メカニズム》
ストレスは腸運動(蠕動)と腸内フローラに影響を与えたり(過敏性腸症候群や炎症傾向)、副交感神経優位は蠕動促進・消化液分泌を改善すると言われております。
《具体例》
朝の短い書道や華道の時間で心身を落ち着けたりする事で、朝食時の消化が改善し、腹痛や下痢・便秘の軽減につながると言われております。また食事の「所作をゆっくりする」習慣(茶道の所作を食事に応用)で咀嚼が増え、唾液・消化酵素の活性増加・血糖ピークの抑制に寄与するとも言われております。
《補助的効果》
ストレス減少による腸内細菌バランスが改善(間接的)され、代謝改善・免疫調整にも好影響とも言われております。
【胃(胃酸・消化性症状)との関係】
《作用メカニズム》
緊張時は胃の痙攣や逆流、過度の胃酸分泌が起きやすい反面、リラクゼーションは過剰な酸分泌や痙攣を抑えると言われております。
《具体例》
書道や茶道の合間に深呼吸・姿勢を正すことで胃の緊張がゆるみ、逆流性食道炎や胃痛の頻度が減る場合があったり、食前に1〜2分の静かな呼吸(茶道の礼や準備の時間を活かす)を行う事で、食後の膨満感や消化不良の改善に寄与すると言われております。
【肺(呼吸機能・酸素化)との関係】
《作用メカニズム》
意図的にゆったりした呼吸を行う所作(茶道の動作、書道の筆勢に合わせた呼吸)は換気効率を改善し、呼吸筋(横隔膜)を柔軟にすると言われております。
《具体例》
茶道の「礼→座る→運ぶ」のリズムに合わせて腹式呼吸を意識することで、COPDや喘息の補助的セルフケアとして呼吸法の維持・不安軽減に寄与すると言われております。また姿勢改善(背筋を伸ばす所作)は肺活量維持に役立つとも言われております。
【肝臓(脂質代謝・解毒)との関係】
《作用メカニズム》
慢性ストレスはコルチゾール(ストレスホルモンの一種)を増加させ、脂肪蓄積(特に内臓脂肪)・インスリン抵抗性が顕著になる反面、リラクゼーションによる代謝改善はNAFLD(非アルコール性脂肪肝)のリスク低下に結びつくと言われております。
《具体例》
週に数回の落ち着いた稽古+食事改善(ゆっくり食べる習慣)により、総カロリー過食の抑制、血中中性脂肪・ALTの改善を期待できると言われ、また、お茶を味わう習慣は間食や甘味の代替になりうる(砂糖摂取抑制)とも言われております。
【膵臓(インスリン分泌と感受性)との関係】
《作用メカニズム》
ストレスが持続するとインスリン抵抗性が生じやすい反面、副交感神経優位は消化吸収の調整に好影響で、血糖の急上昇を抑えやすいと言われております。
《具体例》
食前に2〜5分の静かな所作(呼吸・心を落ち着ける)を取り入れると、食事中の咀嚼が増え血糖上昇のピークが穏やかになり、長期的にはHbA1cの改善に寄与する可能性があるとされ、書道・華道の継続でストレスが減ると間接的に体重管理・運動の継続性が向上し、インスリン感受性が改善すると言われております。
【血液成分(炎症・脂質・凝固)との関係】
《作用メカニズム》
マインドフルな活動は炎症性マーカー(CRP・IL-6など)を下げるという報告が複数あり(補助的効果)、さらに、ストレスが減れば血小板が活性化され、凝固傾向も緩和される傾向(動脈硬化抑制傾向)にあると言われております。
《具体例》
定期的な心身のリラクセーション習慣により慢性炎症が低下し、動脈硬化の進行抑制、心血管イベントリスクの抑制に結びつく可能性があり、また、食習慣の改善(茶の導入、間食減)と組み合わせるとLDL・中性脂肪の改善にも良いと言われております。
【神経(末梢・中枢の神経系、運動機能)】
《作用メカニズム》
細かい手指の作業(華道の花材扱い、書道の筆運び)は手先の協調と触覚入力で皮質の感覚運動マップを活性化する(皮膚の感覚を研ぎ澄ます)傾向にあり、更にマインドフルな反復は長期にわたる神経可塑性を促すとも言われております。
《具体例》
高齢者のリハビリ補助としての華道・書道という視点に立てば…手先の訓練により日常生活動作(着替え、食事)の維持に役立つとも言え、また、糖尿病性神経障害のリスク管理として、血糖コントロールの改善(上述)+血流改善で末梢神経症状(しびれ等)の進行抑制に寄与する可能性があるとも言われております。
それでは…以上を踏まえ、日常生活において具体的にどのような生活を意識すればよろしいのでしょうか?この点も調べてみると…
1.短時間×高頻度:1回10〜20分を週3〜5回(書道なら半紙数枚、茶道なら点前のリズムを数回)行う事が持続性のある、無理のない行いとして推奨されております。
2.食事前の「2分の整え」:深呼吸2分+1分の静観を行う事により、咀嚼が増え血糖ピークが穏やかになり、良いのではないかと言われております。
3.姿勢と呼吸をセットに:華道の作業中は背筋を伸ばし腹式呼吸を意識する事が推奨されております。
4.感覚を使う:香り(抹茶、花)、触感(筆・花材)を意識的に取り入れて情動調整を強化する事が日常生活において無理のない行いとして推奨されております。
5.記録をつける:血圧や空腹時血糖、睡眠スコア、気分評価を週次で記録して変化を確認する事が自らの体内の経過を頭で納得しながら行う事で、副交感神経神経優位になり、無理のない行いとして推奨されております。
更に言えば…上記様々な行動を行う事によって日常生活に無理のない行いであるか否かを確認する指標としては以下の点を意識すると自分の中で安心できる判断材料が求められるのではないかと言われております。
•血圧・安静時心拍・HRV(可能なら)
•体重・腹囲・HbA1c・空腹時血糖
•中性脂肪、LDL、AST/ALT(肝機能)
•クレアチニン・eGFR(腎機能)
•主観的QOL、不安・抑うつ尺度、睡眠の質
※この点の変化は数週間〜数ヶ月単位で現れることが多く、必ず定期検査と主治医の監督下で進める事が推奨されております。
但し、これらの活動は補助的・予防的介入であり、既往の病気(不安障害、重度の心疾患、喘息発作など)がある場合は医師と相談の上で行う必要がある事、及び、効果の出方は個人差が大きく、単独で劇的に臓器疾患を治すものではない事、更に、薬物療法・リハビリ・栄養療法と組み合わせるのが現実的と言われております。
以上のように…
茶道・華道・書道等の「無心で丁寧に行う」習慣は、自律神経の安定化・ストレス低下・行為による身体的刺激を通じて、脳・心臓・腎・小腸・肝臓・膵臓・血液・神経に好影響を与えます。なので、これらはあくまで一例です。皆様のお好きな趣味や行動様式によって腹式呼吸を行い、副交感神経優位になるモノをお選びになって…是非日頃お忙しい日頃の生活様式を見直してみる事も良いのではないでしょうか?その事が介護や周囲の人々との些細なコミュニケーションにも役立つのではないかと思います。参考にして頂けましたら幸いでございます。